1991年、藤野医師は「脳疲労」という言葉(造語)を使って、ストレスによる脳の機能低下こそが多くの病気(肥満、糖尿病、うつ病などの生活習慣病)の原因であるという「脳疲労発症治療仮説」 BOOCS(ブックス)理論を提唱しました。一般的にはBOOCSダイエットとして知られています。しかし、BOOCSは単なるダイエット法だけでなく脳疲労を解消して元気になる方法なのです。従って多くの病気の治療にこの考えが取り入れられています。
脳疲労の人はかなり多い事が分かっています。2009年、三菱UFJリサーチ&コンサルティングにより3000人のホワイトカラーの人たちを対象に脳疲労調査が行われ、“脳疲労”解消は生産性向上の鍵としてプレスリリースされました。つまり脳疲労と考えられる人は全体の3分の1以上(その兆候が少しでもみられる人を入れると約7割)に達しており、女性や、若年層でその傾向が強いことが分かったのです。
脳疲労が起こると筋肉疲労と同じで、機能低下を起こしてしまいます。本来の実力が発揮できなくなるわけですから生産性向上のカギを握っているのです。脳疲労はなかなか自分では分かりません。頑張っているのにミスが多くなってきたら脳疲労かもしれません。脳疲労していることに気づかないと、自分がダメ人間のように錯覚しますので、どんどん追いつめられてしまいます。筋肉疲労も疲れをとれば筋肉を動かせるようになるのと同じで、脳疲労も疲れを取ればまた本来の自分の能力が発揮できるのです。早く気付くことが必須です。